作品を観たきっかけ
ヴィム・ヴェンダース監督と言えば、私は“ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ”が大好きで、一時期は毎日CDを聴いていました。
その監督の作品に大好きな役所広司さんが主役なので、とても楽しみにしていました。“PERFECT DAYS”では、あのロードムービー感に、ずっと役所広司さんを観ていられる幸せが加わって贅沢なひと時でした。
主人公・平山さんの生活
主人公の平山さんは東京都の公衆トイレの掃除人で、本人はルーティンの中で淡々と生活しているのに彩りがある。人であったり木々であったり。
“清貧”とはこういう生活を言うのかなと思いました。これを書くにあたって“清貧”について調べたら、“小欲知足”(しょうよくちそく)という言葉を知りました。goo辞書によると“わずかな欲望で、十分満ち足りていること。少ないものでも、それ以上を望まず、満足すること。”だそうです。
平山さんの生活はまさにその言葉を体現したような生活で、観ていてとても羨ましくなりました。ただ、あの生活に至るまでに、彼に何があったのかは気になるところです。
映画の中で平山さんが読んでいた本が気になってしまいました。
今度読もうと思います。
ヴェンダース監督の日本の解釈が美しい
また、ヴェンダース監督は本当に日本が好きな方なんだなと感じました。日本の文化の美しさを平山さんの生活を通して見る事が出来ました。外国人目線でもなく、東京が素敵な街に映っていたのもそうですし、エンドロールを最後まで観ると監督の解釈があまりに素敵で私は泣きました。笑
まさかの不意打ちで明かりが付いた時に恥ずかしかったです。
キャストが素晴らしい
そしてキャストが素晴らしい。
田中泯さんの圧倒的な存在感。石川さゆりさんは役者さんとしても素晴らしくて。あがた森魚さんとモロ師岡さんのやり取りなんて、予測してなかったから嬉しくなりました。笑
石川さゆりさんはバーの女将なのですが、そのバーの場面は贅沢としか言いようのない場面でした。
柄本時生さんを始め若い世代の役者さんも、映画の雰囲気にぴったりでした。
小津監督とキアロスタミ監督の映画を観たくなった
小津作品を改めて観たくなったのと、キアロスタミ監督の“そして人生はつづく”も、もう一度観たくなりました。小川洋子さんの“ことり”が好きな方にも是非観て頂きたい作品です。
平山さんに会いに行って下さい。平山さんの優しさに癒されて下さい。何日でも余韻に浸れる映画です。
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