人間ってなんだ 鴻上尚史

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読書感想文

読んだきっかけ

ネット上で鴻上尚史さんの人生相談を目にする機会が度々あったので、まとまった文章を読んでみようと思いました。また、人間関係で悩むこともあり、人間について私以外の人がどう人間を捉えているのかを知りたいと思い手に取りました。

ざっくりどんな内容?

「人間ってなんだ」というテーマで書かれたエッセイ集です。演出家である鴻上尚史さんの目線で語られる言葉は、人間に対する深い観察と理解と解釈が優しくて、元気な時には楽しく読めますし、心が弱っている時にはとても勇気づけられます。

感想

分かりやすく、楽しい文章で書かれているのでとても読みやすいです。易しい文章なのですが、論理的に説明されていて、これまでぼんやりと考えていたことを分かりやすく的確に表現されているので、さすがだなと何度も感心しました。

誰かをコントロールすることはできないと分かっていても、あまりにも意見が違ったり、敬意のない態度で話されたりすると悲しくなりますし、時には腹も立ちます。
”この人はこういう育ち方をしたから、私のようには考えないんだろうな”
”この人はこういう思考だから、結論も私と同じようにはならないのだろうな”
等、冷静に分析して適度に距離を保つ事が出来るようになれれば、今後生き易くなるのではないでしょうか。
何故この場合はその感情が湧き上がるのか、その感情にはどう対応すれば良いのか、感情に対して理論的に考えて、イライラから解放されるようになれるといいなと、この本を読んで考えるようになりました。

アウシュビッツの収容所を見学したことについて、また戦争についてのエッセイもありましたが、人を殺す正義って何なんでしょうか。私は戦争をしたくない、行わないという強い意志を持ち続けなくてはいけないと改めて考えさせられました。人間って、人を救ったり、笑わせたり、喜ばせたり素晴らしいことができるのに、その能力が殺人に向かうのは本当に悲しいことだと思います。
人間には陽の部分もあるけど陰の部分もあると思い知らされます。

また、人間に向き合う姿勢がとても真摯で愛情深い方だと感じました。長年人生相談をされているだけあって、本当に人間が好きなんでしょうね。人間って色んなタイプの人がいるんだな、世の中はもっと面白いのかもと、思わせてくれる本でした。

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