読んだきっかけ
何かで面白いと聞いて、読みたいリストに入れていました。内容などをメモしていなかったので、読み始めたらめちゃめちゃダークな話でびっくりしましたけど、とても面白くてあっという間に読了しました。
ざっくりどんな話?
メキシコで麻薬闘争に敗れ、家族を皆殺しにされたバルミロ。命からがらインドネシアのジャカルタに逃亡し、臓器密売ブローカーに出会う。二人で新たなビジネスを始めることになり日本へ。
バルミロは新たに手下を育てる中、運命的な出会いを果たした土方コシモには自分のルーツであるアステカ文明の知識を共有し・・・。
どんな本?
山本周五郎賞、直木賞ともに受賞作です。
何しろ圧倒的な情報量と説得力。麻薬闘争、臓器売買、半グレ集団、裏組織、エグいことばかりでした。でも、情報量が半端ないのと、緻密な表現はリアル過ぎて、怖いもの見たさに引き込まれてどんどん先に進めてしまいました。
Amazon Audibleでも聴くことができます
私はこの作品はAmazon Audibleで聴きました。分量的にはとても多いのですが、作品が面白いので家事をする間、移動する間、隙間時間を見つけては聴いていました。
本の価格が上がっている昨今、定額で何冊分も読書出来るなんて、私にはとても嬉しいサービスです。
アステカ文明の話が興味深い
主人公バルミロはアステカ文明の戦士の末裔で、祖母にアステカ文明について教えられて育ち、本人も信仰しています。私もこの本でアステカ文明の歴史などについて知ることが出来たのですが、人身御供の残酷性と人身売買、戦争の残酷性はどう違う?と考えた時に、大昔の話で済まされるものではなく、脈々と人間の中に残されているものなのでは?と考えてしまいました。
臓器売買と富裕層
物語の核となっているのが臓器売買です。富裕層が貧困層の臓器を買うという商売、実際にあるのでしょう。過去に、カズオ・イシグロさんの「わたしを離さないで」を読んだ時も、何も知らずに読み始めて展開に驚きましたが、全くないとは言えないと厭な気持ちになりました。
これを漫画にしたのが「約束のネバーランド」だなと思っていましたが、同時多発的にそういう作品が登場するということは、実現しても不思議じゃないし、むしろ行われていてる?とか考えてゾッとしてしまいます。
最近読んだ「燕は戻ってこない」でも、同じようにモヤモヤした気持ちになりました。
そういうテーマの本が増えているということでしょうか?
映画を観たような読後感
分量は多かったのですが、あっという間です。
重厚な映画を観たような気分になりました。私は土方コシモくんが大好きだったのですが、なんとなくバスケ選手の八村塁くんを当てはめて読んでいました。笑
天才心臓外科医の末永充嗣は、今想像したら長谷川博己さんがピッタリかも!
因みに、力自慢のチャターラは「キングダム」の雷土を想像していました。いつか読んだ人と共有したい。笑
ご自身で役者さんに当てはめて、極上の映画を想像しながら読むのも楽しいと思います。是非!
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